旅行や引っ越し資金を貯めるために、新たに貯金口座を作ろうとする方もいるでしょう。しかし、同じ金融機関内には複数の口座を開設できません。
そこで、なぜ同じ金融機関内で複数の口座を持てないのか、目的別に貯金するためのコツについて解説します。最後までお読みいただければ、旅行や引っ越し資金をためるためのコツを理解できるでしょう。
複数の口座を持てない理由
同じ金融機関で複数の口座を持てない理由は、犯罪に使われる口座や休眠口座の発生を防止するためです。
還付金詐欺や架空請求詐欺の振り込み先として、銀行口座が指定されるケースが後を絶ちません。口座をいくらでも作れると、犯罪組織に悪用される恐れがあります。
また休眠預金等活用法によって、長年使われていない口座は休眠預金として民間での公益的な活動支援に使われるように定められました。対象となる口座は、2009年1月1日以降から10年以上取引されていないものです。
ただし、休眠預金となってしまっても、口座のある金融機関で手続きをすれば預金を引き出せます。
お金を貯めるコツは複数の口座を持つこと
貯金を頑張りたい方は、複数の口座を使い分けることをおすすめします。
お金を貯めるための口座を複数持つと、目的別に使い分け、計画的にお金を貯められるでしょう。普段使用する口座と預金用の口座を切り離しておけば、使い過ぎを防止できます。
とはいえ、同じ銀行では複数の口座は持てないため、複数の金融機関で口座を開設しましょう。
2023年4月、ネットリサーチ会社のマイボイスコム株式会社の調査によると、2つ以上の口座を所有している人が17.8%、3つ以上の口座を所有している人が全体の中で最も多い22.5%と発表されました。
2つ以上の銀行口座を使い分けている方のメインバンク利用目的は、「給与・年金などの振込」が65%、「クレジットカード引き落とし」が51.6%です。
一方で2つ以上の銀行口座を使い分けている人のサブバンク利用目的は「貯蓄」が27.1%、「クレジットカード引き落とし」が21.5%。
多くの人が貯金のために、口座を使い分けていることがわかります。
参考:銀行の使い分けに関するアンケート調査(第4回) | マイボイスコム
口座の使い分け方法
口座は、生活用・イベント用・貯蓄用の3つの使い分けがおすすめです。それぞれの口座の使い分け方法を見ていきましょう。
生活用
クレジットカードや家賃の引き落とし、給与の入金先として生活費の口座を用意しましょう。水道やガスなどの固定費の支払いも、すべてこの口座に統一します。
給与が入金されたタイミングで、イベント用・貯蓄用の口座に自動で振り込まれるように設定しておくと、お金が貯まりやすいでしょう。
イベント用
イベント用は、旅行や引っ越しなどの費用を貯めるための口座です。目標達成のために、毎月何万円ずつ貯めるのかを考えて積み立てていくことをおすすめします。
また、入院手術や冠婚葬祭の費用もこの口座から出せるように備えておくと、貯蓄用口座から崩さずに済むでしょう。
貯蓄用
貯蓄用は、基本的に使わないお金を貯めておくように使います。また、旅行や引っ越しなどの目的に応じて貯金するときにもこの口座に貯めておきます。
貯蓄用口座には、入院や天災などで働けなくなったときに備えて、まとまった額の生活費を貯めておきましょう。会社員の方は生活費の6ヶ月~1年分程度、家族を養っている方や自営業の方は、1~1.5年分の生活費を貯めておくことをおすすめします。
積立貯金をするときの2つのポイント
まとまった金額を貯めるには、積立貯金がおすすめです。とはいえ、積み立てた分をすぐに使ってしまったり、口座残高が足りずに自動積立ができなかったりする可能性があります。
貯金をするときには、継続できるように毎月貯める金額を高く設定しすぎないことがポイント。給料から生活費を差し引いた金額が1万円にもかかわらず、10万円貯金しようとすると失敗しやすいでしょう。
生活費を削りすぎて生活にゆとりがなくなったり、普段節約している反動から一気に使ってしまうことになりかねません。自分の生活費と収入に応じて、無理なく貯金をすることが大切です。
また途中で疲れないように、目標を設定しておくと貯金を継続しやすいといえます。50万円貯まったら海外旅行に行くといった目標を設定すれば、貯金のモチベーションを維持できるでしょう。
複数の口座を使い分けてうまく貯金しよう
貯金をうまくするためには、複数の口座を使い分けて、手元に残るお金を管理することが大切です。
継続して貯金をするために、50万円貯まったら旅行や引っ越しするといったゴールを決めておきましょう。